登山の知識&ヒヤリハット
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ヒヤリハットで疑似体験

残雪期での足跡を頼り過ぎてルートを間違えた。

2017年2月24日印刷
発生日 2008年05月23日
体験者名 2016年Y327
登山地域 尾瀬、八木沢道
登山概要

■パーティ人数:1
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:山小屋泊
■登山内容:その他
■天気:快晴

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■場所 :下り
■原因(環境):
■原因(人):トレース追尾
■道に迷ったかもと感じたときにすぐに対応したか:Yes
■迷ったときに現在位置を把握できたか:No
■現在位置や正しいルートを確認する手段:勘
■道迷い後の行動:来た道を戻る

ヒヤリハット本文

まだ夏道が残雪の下にあり、久しぶりにこのルートを歩いていたが、何気なく足跡を追って下って行ったら沢筋に出てしまって、間違えたことに気がついた。 沢は雪解け水が流れていて、川岸は残雪が覆っているし、万一ここで遭難したら何十年、何百年も発見されないのだろうと恐怖感を覚えた。戻ろうとしても雪の重みで熊笹は下方へ寝ていて手足だけでは滑って登れない、幸いピッケルも持っていたのでやっとのこと本道に戻ることができた。たった20分くらい下っただけなのに本道に戻るのには2時間くらいかかってしまった。早朝から歩いていたために時間的な余裕は十分あったし、快晴で方向もわかっていたからとにかく上を目指した。藪コキと冷や汗で衣服はビッショリで、本道に戻ったときは気が抜けてしまった。気がついたら時計は12時になっていて腹が空いていることに気がつき、安堵とおにぎりを腹に流し込んだ。以前にも歩いた道という軽い気持ちと油断から不覚にも他人の足跡をたどってしまった自分を後悔しました。

要因分析
装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)
装備
装備品として書いてあるものは、やはり持っていくべきです。
コース
慣れは禁物。「前はこうだった」も禁物。 落ちつくこと。冷静な判断に心がける。
山の状況
私が山を始めたのは40年以上も前でキスリングの時代。早立ち昼着、遅くても午後3時までと。また午後は天気はあてにならないとも教えられたので今でも実行している。「ラク! ラク!」という掛け声に「あそこまで行けば楽になるのか。」と勘違いした落石は今も笑い話。イノシシどころか熊もめったに話にも出なかったが、最近の熊、イノシシ、スズメ蜂などは運に任せるしかないかな?
装備
装備も食料も以前と比べ物にならないくらい改良されているが、自然、気象、人間の体は変わっていないのだから、宣伝や情報に惑わされることなく、経験を積むことですね。
コース
つきなみですが、自分の技量、経験、体力に合わせた山やコースをえらぶことですね。誰しも当たり前と思うけど、魅力にはまってしまうと無理をしてしまいがち。経験者やガイドと一緒に行き、経験が大切です。 ただ、生身の人間ですから、具合が悪くなった時のことも考えて、避難ルートがあるコースを選ぶことも1案です。
山の状況
御嶽山噴火の後、ヘルメットの着用が増えてきました。私が始めた頃は岩壁登攀以外は「見っともないから止めて!」と言われました。これからは火山と名がつく山ではヘルメットも常識になるのでしょうね。 熊の活動時間帯はなるべく避けるように計画をしましょう。
装備
装備は適切に。またよくパーカーなどを着ている広告写真がありますが、そのマネで何が何でもパーカーを着て歩く必要はないのに、汗ビッショリかいて気分が悪くなったり、脱水症状の手前までなる人を見かけます。アドバイスしてあげる人がいてもいいと思います。
コース
途中で地図を広げる人が少ない、地形や概算の時間などの習得が出来なく、よってペース配分もうまくない人がいる。地図を見る余裕が欲しいと思います。
山の状況
立ち止まって、雲や傾斜、岩石などの観察する時間的余裕が欲しいと思います。
登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
慣れた道でも確認はしっかりとする。
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
今回のヒヤリハットとは別の件ですが、全般的に見て。 「俺、雪渓は苦手」なんて言っていた奴が案の定、雪渓を登りつめた後で夢遊病者になってしまったことがある。だから出かける前には「気合を入れないと、バッタするから、中途半端なままでは来るな!」と発破をかけている。
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
そもそも私が山にのめり込んだのは、平地で豪語している奴が山では小さくなって青ざめているその落差が面白くて、いつの間に続いてしまったので、行動中でも仲間の話し、手振り、歩き方などを観察していることも、こちらの良い勉強になると思います。
対策

今は、ネットをはじめとして豊富な情報があるので、よく調べて計画するようにする。調べたことは肩に食い込むほど重くないから。

学びの場

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