登山の知識&ヒヤリハット
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ヒヤリハットで疑似体験

日暮れまでの下山

2017年2月23日印刷
発生日 2016年11月09日
体験者名 2016年Y333
登山地域 大菩薩嶺
登山概要

■パーティ人数:2
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:日帰り
■登山内容:山頂往復
■天気:晴れ

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:未然
■場所 :下り
■原因(環境):視界不良(日没)
■原因(人):迷いそうなのでGPSと時計ばかり見て下山。迷わなったが、ただ移動しただけの登山になった
■道に迷ったかもと感じたときにすぐに対応したか:Yes
■迷ったときに現在位置を把握できたか:Yes
■現在位置や正しいルートを確認する手段:GPS
■道迷い後の行動:迷っていない

ヒヤリハット本文

事故になったわけではありませんが、ヒヤリとした件です。 大菩薩嶺に行くことにしてコースを検討した時はヤマレコでは緩やかな斜面から登り下山が急なコースを選んでいる人も多かったのですが、自分達は下山のほうが苦手なので逆行で丸川駐車場ー丸川荘ー大菩薩嶺ー大菩薩峠ーロッジ長兵衛ー駐車というコースをえらびました。 スタート時点でコースタイム通りなら午後3時半頃には下山できる予定でした。ところが登りで予定より1時間も多く時間を要してしまい、大菩薩峠でちょうど2時。コースタイム通りだと駐車場までは2時半。11月の4時半はまだなんとか明るいでしょうが、5時を回ってしまったらもう暗いでしょう。街灯などない山の中、しかも私達は明るいうちに下山するつもりだったのでベッドライトすら持っていません。いくら整備された登山道だとしても暗闇を進むなんて無理なことは想像がつきゾッとしました。とにかく1時間余りで着くはずの山小屋まで行き、その先の道の様子や日暮れの予想などを山小屋の御主人に聞きその先進むかどうか判断しようとなり、下山を始めました。 幸い山小屋までの道は登山道とは思えないほど歩きやすくコースタイムよりは早い3時前に到着しました。山小屋の御主人によると駐車場まではだいたい1時間だし、今日は晴れているから4時半でもまだ明るいだろうから頑張れ、とのことでした。 山小屋から先は今までほど楽な道ではなく急なところもありました。苦手な下山で案の定足が痛くなってきましたが、焦りの方が先走り休むどころではありません。ずっとGPSと時計ばかり見てせっかくの紅葉の道を楽しむどころではありません。いつ足が痛くて休まないと進めなくなるかと思うと、まだなんとか大丈夫な内に少しでも前へ、コースタイムより早くとばかり考えながらの下山でした。駐車場近くの沢の音が聞こえた時は本当にホッとしました。 結果的には駐車場着は16:13だったのでまだまだ明るく事故にはなりませんでした。下山に緩やかな方を選んだのは正解でしたが、稀に見る歩きやすいコースだったのがラッキーでした。普通に登山道だったら確実にコースタイム以上の時間がかかり、最後のところで暗くなり転倒、転落、道迷いといった事故にあってしまったかもしれません。ぞっとします。

要因分析
装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)
装備
ベッドライトはヘビーな登山をする人の道具で(ザイルやピッケルと同レベル)、日帰りハイキング程度の自分達には必要ないと思っていた。
コース
今回の逆回りはコースタイムでは30分長いけれど苦手な下山が楽になるようにしたのは大正解だった。 ただ、登山開始が8:30だったけれど、もう1時間早く出発すべきだった。
山の状況
晴れていたのが良かった。
装備
特になし
コース
コースタイムが短い反時計回りをしたい私と、下りが緩やかな時計周りを勧める夫と、現地のコース案内を見ながら最後まで検討し、下りの不安解消を最優先した。
山の状況
特になし
装備
特になし
コース
下りでは休息一回五分間のみだった。気が焦っていたのでそれどころではなかったけれど、例え下りでも適宜な休息は必要だったと思う。
山の状況
特になし
登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
標準的なコースタイムと比較して、日頃から自分の速度が登りも下りも早かったり遅かったりバラバラで、予想がしにくい。 登りも下りもコースタイムより時間がかかるとして、計画すべきだった。
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
前夜は早めに寝ようとは思っていたけれど、結局いつもと同じ時間になってしまった。寝不足だとは思っていなかったけれどいつもと同じ睡眠時間では登山には足りなくて、登りでバテたのかもしれない。
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
対策

翌日にベッドライトを買った。 山行き計画を作ったら、さらに1時間早い出発を心掛ける。

学びの場

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