登山の知識&ヒヤリハット
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ヒヤリハットで疑似体験

山開き前6月の富士山で遭難未遂

2018年1月17日印刷
発生日 2002年6月
体験者名 2017年Y012
登山地域 富士山
登山概要

■パーティ人数:1人
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:日帰り
■登山内容:山頂往復
■天気:快晴

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:少しした
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:少しした

ヒヤリハット本文

6上旬の平日、まだ若干残雪の残る富士山へ 富士登山競争の試走&トレーニングとして 9時30分吉田口5合目から日帰り山頂往復。 たまたま快晴だったが、山開き前&翌日からの悪天候予報や平日のためか登山者はほぼ皆無に近い、、、。 しかし、このコースは5回目、道迷いの心配など皆無であった。 下山道で道間違い発生。 通常、8合目から左に吉田口コース、右に御殿場コースと分岐するが(経験上分岐地点で注意は必要だと分かっていたが)、山開き前でまだ看板を設置しておらず、走って下っている勢いで御殿場コースに下ってしまい気づいたのは6合目あたり、、、時間は14時30分すぎ、ヤバイ。 9時30分に登り始め、山頂着11時30分、お釜を3周して山頂発14時00分、5合目発最終バス15時30分に間に合わせるよう段取りしていたが、、、登り返すとバスに間に合わない、コインロッカーに荷物や鍵など入れていたのでこのまま御殿場口5合目からも下れない、、、ピンチ。 あれこれ考え、、、地図とにらめっこ、、、 富士山には御殿場口~吉田口へ通じるお中道の周遊道があるのを発見、ただし地図上では実線ではなく点線、つまり廃道(または踏み跡程度の道)を行くと決心。 偶然にも通りかかった荷揚げ用のブルトーザーの作業員に事情を説明し、お中道まで登り返すのに乗せてもらい、そこから歩いて(走って)エスケープ開始、、、。なんとか踏み跡程度の道をたどって行くも、残雪明けの山開き前、道は所々閉ざされ、消えかけている、、、。 また、富士山は大沢崩れのような比較的大きな沢が何ヵ所もある。樹林帯を抜けそこに出くわすと、水は流れていないものの、横切るその先の再度の登山道入り口が分からなくなる。冬場にお中道など歩く人がいないのだろう、目印のリボンやペンキなどはほぼ皆無。 トレーニングのため軽装だったが、緊急時に備えライトや非常食や緊急用アルミシートなど持参しており精神的には余裕があったし、一時はビバークも覚悟したが、なんとか道らしい道を探しながらようやくたどり着いた吉田口5合目。普段の夏山シーズンのように適所に看板があるイメージ 時間は17時ぐらいだっただろうか。 路線バスは出発し、下山する手段がない。 売店前に停まっていた数台の車のみ。 そのうち1台に声をかけ、事情を説明し、吉田駅まで乗せていただき、無事下山することが出来た。 車内でそのドライバーさんにお話を伺うと 富士山を中心に写真を撮られている 大山行男さんであった。 たしか、記念にポストカード?をいただいたと記憶している。それ以来個人的にカレンダー等を購入しているが、連絡はとれていない。 改めて、感謝の気持ちでいっぱいである。 原因 過去5回の登山は山開き後の7月や8月で当該分岐には分岐注意の看板があり迷う事なく下山出来ていたので、当日は慢心があったのだろう。勢いで下山して見過ごした、いや、見る看板がなかった、下調べ不足、それに尽きる。

要因分析
装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)
装備
コース
山の状況
装備
コース
山の状況
装備
コース
山の状況
登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
快晴、経験済みコース、不安材料無し
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
最終バスに乗り遅れないよう 常に急いでる意識
リスク低減行動の継続的実践
その他
対策

早出発の励行 コースの入念なチェック、地図、ライトや非常食、ビバーク用アルミシートの持参

学びの場

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