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ヒヤリハットで疑似体験
発生日 | 1991年8月 |
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体験者名 | 2016年Y1 |
登山地域 | 北アルプス・小池新道 |
登山概要
■パーティ人数:5
■山行スタイル:山岳会やサークル、クラブの山行
■宿泊:テント泊
■登山内容:縦走
■天気:雨
ヒヤリハットタイプ
■対応(解決種別):[救助要請(山小屋・他登山者)]
■場所:[下り/一般登山道]
■原因(人):[バランスを崩した/重荷]
■原因(コース/環境):[―]
■怪我の程度:[軽傷]
■怪我の部位:[頭]
■転倒した瞬間の対応:[行わなかった]
■転倒距離:[1m]
ヒヤリハット本文
大学時代、夏合宿。私はリーダーで、8日間の合宿の最終盤。折立から入山して、さまざま巡って、双六小屋キャンプ場に前日宿泊。早朝から小池新道を下山して、新穂高温泉に宿泊予定だった。 なお、我々の合宿は部員が3~4パーティに分かれて、それぞれのルートを歩いて、最終日にベースキャンプに集まるという方式を取っていた。新穂高温泉がベースキャンプで、まさに合宿最終盤だった。 合宿中は天候に恵まれず雨続きで、当日も雨がシトシト降っていた。まもなく登山道が終わり林道に出る頃だったと思う。時間は14:00をまわっていた。先頭を歩いていたサブリーダーの後輩が派手に転倒。頭から落ちて木の根に頭をぶつけた。帽子をかぶっていたのが幸いしたのか、頭を少し切って血が滲んだ程度の怪我で済んだ。 転倒した本人の精神的なダメージが大きかったので休憩。30分ほどで、だいぶ落ち着きを取り戻したし、下山目前だったので、そのまま下山、新穂高温泉のキャンプ場に到着。翌日は帰るだけなので、それぞれ合宿中の話題を語らい、多くは遅くまで起きていた。私も同期で集まり、河原で話し込んでいた。 そして日付が変わる頃にテントに戻ると、昼に頭を打った後輩が、目眩がして頭が痛い、たぶん転倒が原因だと思うという話になった。念のため熱を測ると微熱があった(37.5℃程度)。 合宿中、彼(怪我した男)が大げさなのは理解していたので、単に疲れて熱が出てフラフラしたのだと思ったが・・・。「明日帰るだけだから、明日の朝、病院に」という話をしたが、本人たっての希望で病院に行くことになった。私と彼、合宿全体のチーフリーダーの3人で、深夜、山岳救助事務所に行くと、隊員が待機されていたので事情を説明すると救急車を手配。隊員の車で途中まで送ってもらい、救急車と待ち合わせて乗り換え、救急車で高山市内の救急病院へ行き診察。 待合室で待っていると、呼び出されると、病院の先生に「微熱でフラフラしたぐらいで救急車まで呼んで病院来るな!」という激怒の声でした。あ~、やっぱりなぁ~、ということで、大いに怒られて返ってきました。 人間性の把握というのは、しっかり行わないとダメだよね~、と思った瞬間でした。でも、人の命がかかっているので、こういう決断は本当に難しいよなぁ。唯一の救助要請!?です。
要因分析
装備 | 装備も食料も、十分すぎるほど。荷物が重くなっているのが問題 |
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コース | 学生で時間もあったので、無駄な予備日も含めて、十分過ぎる余裕の日程だった。 |
山の状況 | 夏休み(8月)ということで、台風の心配はしていた。 |
装備 | 食料は毎年、たくさん余らせる傾向にあったので、軽量化のために抑えた。 |
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コース | |
山の状況 | 台風は来ていなかった。 |
装備 | 荷物は水を含んで重かったが問題なし。 |
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コース | 一部で山頂を通らない、などの変更はあったが、概ね予定通りの行程だった。 |
山の状況 | ただ天気が悪く、寒かった。夏の暑さを予想していたが、ここは想定外だった。 ・とにかく雨続き。期間中、青空が広がったのは1日だけ。とくに三俣~双六間はゲリラ豪雨に見舞われ、過去に経験したことがないほどの大雨。登山道は沢になり、大いに濡れた。 |
楽観的・希望的な解釈 | |
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調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | |
安全最重視の行動 | |
リスク低減行動の継続的実践 | |
その他 | メンバーの知識は、自分がいちばんの先輩だったので、心配といえば心配。ただし、みんな若いので体力的には十分。意思疎通も、まぁ、問題ないでしょう。服従と服従という意思疎通ですが・・・。 |
楽観的・希望的な解釈 | |
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調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | |
安全最重視の行動 | |
リスク低減行動の継続的実践 | |
その他 | 合宿前に、それなりに結束していた。 |
楽観的・希望的な解釈 | |
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調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | |
安全最重視の行動 | |
リスク低減行動の継続的実践 | |
その他 | 怪我したサブリーダーの、気合が空回りしていたのは気になったが、仲間同士の意思疎通はできていた。 きつい日もあったが、体力的には問題なかった。 |
対策
何はともあれ、人間性を知っておく。 自分自身は明日の朝まで様子見ろ! と押し通す。下山時に、その話を共有して。もっと早く寝かせる。
学びの場
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