登山の知識&ヒヤリハット
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ヒヤリハットで疑似体験

丸木橋からの転落

2017年2月23日印刷
発生日 2013年09月13日
体験者名 2016年Y329
登山地域 南アルプス
登山概要

■パーティ人数:-1
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:山小屋泊
■登山内容:縦走
■天気:晴

ヒヤリハットタイプ

■対応(解決種別):[救助要請(山小屋・他登山者)]
■場所:[縦走/橋]
■原因(人):[バランスを崩した/橋の後半で左足を前に出そうとして、いきなり足をすくわれた]
■原因(コース/環境):[―]
■怪我の程度:[軽傷/出血]
■怪我の部位:[頭部]
■滑落した瞬間の対応:[リスク回避行動を行った/反射的に身体を前傾に丸めた]
■滑落距離:[橋から川に落下]

ヒヤリハット本文

白峰三山を縦走し大門沢小屋に宿泊、大門沢沿いに下山中30分ほどで直径30?p長さは4mほどの丸太橋に遭遇しました。。 通行路だし、それ以上念入りに観察する事は無く橋を渡り始め数歩歩いて橋の後半で左足を前に出そうとして、いきなり足をすくわれた様に、身体が宙を舞って背中から落下しました。 宙を舞う間に私は次に来る落下の衝撃に備える為、反射的に身体を前傾に丸めた次の瞬間、背中のザックから、ガレ場の傾斜面に落下しました。 着地した直後、今度は宙を舞う様に斜面を2回転位転がり沢の水の中に転がり落ちザックの浮力で身体を持ちあげるのを感じました。 立上がろうと頭を持ち上げると、今度は恐怖映画の様に幾筋もの血がメガネのレンズの上を伝って流れ、足で石を蹴り岸に近づき立ち上がりました。 全身に渡り、随所に打撲の痛みは有りましたが、手足等への機能的な障害は有りませんでした。 頭部からの出血は続き、血がぼとぼとと足元の岩に落ち、テイッシュペーパーを出し頭部の痛みを感じる処をあちこち押えながら血の付着具合で傷の位置を確認しました。 今来た30分程の道を歩き小屋へ戻るか、約2時間の下山を継続するか、考えた結果、先程、登って来る登山者とすれ違った事を思い出し、今が朝の8時で有る事を考えると、下山途中で身体の変調が発生しても必ず短時間で救援を求められるし、下山する方が本格的治療へ近づけると判断しました。 その考えている間の約5、6分で出血が止まって来たので、私はもう応急措置をしないまま歩き始めました。 そして、様子を見ながら歩き約10分後に次の登山者と遭遇し、この時に初めて私の救急セットで傷の消毒をして化膿止めの軟膏を塗って貰いました。 更に1時間後、幸運にも、昨晩大門沢小屋で同宿し先行されていた外科医の先生に再会する事が出来、専門家の診察と治療を受け抗生物質を貰う事が出来ました。

要因分析
装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)
装備
コース
山の状況
装備
コース
山の状況
装備
コース
山の状況
丸太橋は渡ってはいけない。 天候、斜面、道、等が変化した時、何か場面が変わった時には潜在する危険因子を考えて行動するようにしている。
登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
難しい所を抜けた時、縦走や、登頂を完了した時等、気分がハイになっている時が危ない。これを常に自分に言い聞かせている。
対策

教訓;急がば回れ。手を抜くな。喜びの後はより慎重に。 ・他人が発見しやすくするために。ザックの色を赤に変えた。 ・見えない傷を見る為に救急セットに鏡を入れた。

学びの場

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