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ヒヤリハットで疑似体験
発生日 | 2012年2月 |
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体験者名 | 2017年Y024 |
登山地域 | 硫黄岳 |
登山概要
■パーティ人数:2人
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:山小屋
■登山内容:縦走
■天気:晴れ
ヒヤリハットタイプ
■解決種別:自力下山
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:しなかった
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:した
ヒヤリハット本文
高見石から硫黄岳まで縦走し赤岳鉱泉に下山中ルートを誤った。硫黄岳を出たのが15時を過ぎていたが雪道の下山であり1時間30分もあれば小屋に着けると予測して下山し始めた。かっての夏道は、赤岩の頭の手前で東斜面を下りトラバースしながら赤岳鉱泉への尾根道についていた。そのルートは数回経験していたので当然のごとく斜面を下る踏み跡を探して下り始めた。踏み跡は雪が腰近くまでありあまり踏まれていないため難儀したが下りであったためそのままトレースした。標高差50m以上下ったところで突然踏み跡が無くなった。先行者はルート誤りに気がついて引き返したのだった。しまったと思ったが下ってきた状況と体力を考えると1時間で戻ることは不可能と判断した。何しろ60半ばの老夫婦なのだから。 私はその2年前からGPSを導入していた。GPSには当日のルートが入力されており現在位置が夏道からそれていない事は分かっていた。戻る事以外の選択肢は強引に夏道通り進む事であった。現在位置からトラバースしていけば尾根道の正しいルートに出るはずであり50mほどの距離と思われたためこの手段を選択した。ツェルトと食料があったため判断に迷うことはなかった。荷物を降ろして5mずつルート作りを繰り返し、胸まで沈みながらも2時間ラッセルし暗闇の中正規のルートに出て無事小屋に着いた。19時になっていた。
要因分析
装備 | 食料、装備は万全 |
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コース | 行程は順調だったが結果としてコースの選定には問題ないと過信していたことになる。 |
山の状況 |
装備 | |
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コース | 簡単なルートだと考えていた。 |
山の状況 |
装備 | 装備と食料は全く問題なかった。ビバークしても無事だったはずである。 |
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コース | 行程は1時間遅れ。 |
山の状況 | 雪が降っていたら不安になったかもしれない。後から思えばあのような急斜面に冬ルートを付けるはずがない、雪崩が起きそうな斜面だった。 |
楽観的・希望的な解釈 | |
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調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | |
安全最重視の行動 | 自分の知識、技術、経験ならこのコースは問題ないと考えていた。パートナーの体力も問題ない。ただ信頼されているが故にコースの説明はしていなかった。 |
リスク低減行動の継続的実践 | |
その他 |
楽観的・希望的な解釈 | |
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調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | |
安全最重視の行動 | |
リスク低減行動の継続的実践 | |
その他 |
楽観的・希望的な解釈 | |
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調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | |
安全最重視の行動 | 当日の体調はあまり良く無くて足が重かった。パートナーは特に問題なく元気だった。夫婦であり意思疎通は充分であり信頼されていた。ルートを誤ってからは置かれた状況と対策は説明して不安を解消するように努めた |
リスク低減行動の継続的実践 | |
その他 |
対策
判断を誤ったのは 1、地図のルートは絶対的だとの思い込みと柔軟性の欠如。 2、明瞭な踏み跡は明らかに赤岩の頭に向かって付いていたのに登り返しになっていたため疑問に思わず楽な下りルートを選んでしまった、疲労からくる判断力の低下。 遭難せずに済んだのは 1、GPSによる正確な位置の把握。2、ビバークに耐えうる装備。3、それらからくる不安の解消だった。事実不安感は無く、冷静に判断し説明できたためパートナーもパニックにならずに済んだ。 山ではつい楽な方向に判断しがちですが、ごく一般的なルートであってもルートの選択を迫られる場面では特に慎重になり、選択後も誤っていないか注意しておかなくてはならないと戒めています。装備は遭難時の最大の問題である不安解消にはとても大切です。 過ちには100のバリエーションがあり人は同じ過ちを繰り返すものだとも思います。 その後さらに慎重に行動するようになりました。
学びの場
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