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夏の赤石岳からの下山途中に転倒し左肩を脱臼

2018年1月18日

 

発生日2015年08月24日
体験者名2017年Y059
登山地域聖岳~兎岳~赤石岳

 

 

登山概要

■パーティ人数:3~5人以上人
■山行スタイル:山岳会やサークル
■宿泊:山小屋
■登山内容:縦走
■天気:晴れ

 

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:しなかった
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:どちらともいえない

 

ヒヤリハット本文

聖岳~兎岳~赤石岳を2泊3日で縦走中の最終日、百?闢エ山の家を朝5時に出発して赤石岳経由で椹島に下山。東海フォレストの送迎バスにて畑薙の駐車場までの行程であった。順調に下山し、椹島まであと1時間程度の登山道上で事故が発生した。場所は右手側が斜面となっていて、登山道上は木の根がむき出しとなっている場所であった。ほんのちょっと下っているが里山にはよくある登山道と同様で、特に危険と感じる場所ではなかった。 椹島からはバスには14時のバスの乗る予定で下山していたが、ちょっと頑張れば13時のバスに乗れることが出来る時刻であった。そうなると13時のバスを目指すようになっていた。いつもであれば、足を乗せることがない木の根の上に足を置いてしまった。急いでおりたいという心理と油断であった。足が滑り転倒する形となった。そのとき、持っていたストックが木の根に挟まり、ストラップに手を通していたので離すことが出来ず、ストックに引っ張られる体勢となり、左肩が脱臼してしまった。里山によくある何の心配もない登山道といった場所である。左のストックは2つに折れた。怪我をしたが、歩くことはできた。揺れると肩が痛いので、左腕を体幹にバンテージで固定して自力で下山した。これが足の怪我であったら歩くことが出来ず、助けを呼ぶしかなかったと思う。13時のバスに乗り、14時に駐車場に到着。そこから一番近くの総合病院まで3時間。怪我の発生は12時であるので、5時間を経過していた。同行者がいたため、帰りの運転は任せることが出来たが、そうでなかったら自分で運転であった。いつもは「事故は下り」と声に出して下山しているが、同行者がいるとついつい忘れてしまい、おまけにバスに間に合いたいと思う気持ちが油断となって怪我につながってしまった。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備小屋泊のため、余分な装備等は持っておらず、必要最低限の荷物出行動できていた。
コース自分及び同行者は登山のスキル的には全く問題が無いルートであった。特に危険は感じなかった。赤石からの下山は以前にも利用しており危険個所は経過していた。山と高原地図のコールタイムの80%のスピードで行動できていた。無理な行程では決してなかった。
山の状況

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他

 

対策

木の根には足を置かない。 下山時には「事故は下り」と声を出して言うようにして、注意をしている。