発生日 | 2015年9月中旬 |
---|---|
体験者名 | 2016年Y906 |
登山地域 | 常念岳からの下り |
■パーティ人数:2
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:山小屋泊
■登山内容:縦走
■天気:雨(台風接近)
■解決種別:自力下山
■気象種別:強風
■発生後の対応:続行
前々日中房温泉を出発し燕岳(燕山荘)泊~大天井岳(大天荘)休憩~常念岳(常念小屋)泊にて一ノ沢下山予定にて山行。1日目天気は曇り、2日目曇り時々雨にて縦走後常念岳登山予定が雨のため断念。燕山荘に到着後天気予報により台風が近づいていることを知り、下山を考えるもせっかくの休みを取った為、また台風の速度がそんなに早くないのを踏まえ2日目の山行を決行するも大天井岳を過ぎる頃より雨・風共に強くなりその日の常念岳登頂を断念。小屋の主人から状況を聞きつつ翌日も雨が強くなることを聞き、翌朝に考えていた常念岳登頂も断念する。そうなるとどのように朝下山するかを考え小屋の主人にもアドバイスをもらい「この位の雨ならば靴は翌日履けないだろうが膝ぐらいの入水で何とか降りられるだろう」との事だったので、意を決し一ノ沢から下山開始。登山初心者の夫婦で、二人ともこの様な状況を想定していた訳も無く軽く考えていた為、「何とか行けるだろう」と安易な気持ちでStartする。最初小屋前から胸突き八丁辺りまでは、よくある雨の登山道の様な感じで少し川の様になっていたもののそこを過ぎた辺りから沢が見え始めると「本当にこんな濁流の横を進めるのだろうか?」という不安に駆られ始めた。小屋の主人から「以前忠告も聞かずに下山した女性が川に流され亡くなった」と聞かされていた為二人とも非常にビビりながら下山したのを思い出す。途中濁流の本流と登山道が接近する箇所が何ヵ所かあり、小屋の主人から言われた通り膝まで水に浸かりながら体を水に持って行かれないよう注意しながら進んだのを思い出す。ずっと雨も降り続いていた為途中の休憩場所でもあまり立ち止まらず下山をした。3~4時間かけて下山をし、駐車場に呼んでおいてもらっていたタクシーをみたときは心底ほっとし小屋の主人に安否の連絡をドライバーさんに入れて頂いた。その後中房温泉の駐車場までの車内では、二人とも茫然自失状態で雨に濡れたせいか非常に寒かったのを記憶している。
計画時 | 出発直前 | 行動中 | |
---|---|---|---|
装備 | 長期山行(縦走)が初めての事であった為十分な装備を持たずに出発してしまった。 食糧に関しては、そんなに空腹に思った事は無かった為あまり気にはしていないが 少し多めに持つ必要があるとは考える。 | もっと勉強! | |
コース | 今思うと初めての縦走を、4~5回しか登山をしていない初心者がいきなり常念山脈の縦走など 無謀に思う。エスケープルートなどもまったく考えが無かった。 | もっと勉強! | |
山の状況 | ここが一番の問題点であると思う。自宅のテレビで確認した天気予報では、出発前は太平洋のはるか遠くにあった台風が いきなり日本列島に近づいて来た事を燕山荘に宿泊した際確認していればこの様な事態にはならなかったと思われる。 やはり山では、こまめに天気については確認すべきであると認識した。 | もっと勉強! |
計画時 | 出発直前 | 行動中 | |
---|---|---|---|
楽観的・希望的な解釈 | 正直このときは、はっきり言うと「山をなめていた」と思う。 天候の変化や、装備の充実、状況の把握という事を勉強しなくてはと 今は感じている。 | めちゃくちゃ認識が甘かった。上記した山をなめていた。と思う 知識もない、経験もない、体力もどんどん落ちてきている。 もっと筋力、経験、知識すべてを身につけなければ… | |
調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | |||
安全最重視の行動 | |||
リスク低減行動の継続的実践 | |||
その他 |
その後も風速20~30m位の那須岳で風に倒されながら下山したり、大雪の中の天城山に軽アイゼンを持たずに登ったりと 色々な経験を山には教えて頂きました。少しづつですが勉強しつつこれからも安全第一に楽しい登山が出来ればと思います。