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遅く出発したため,夕暮れになり,ガスにより登山道が分からなくなった。

2017年2月24日

 

発生日2014年09月12日
体験者名2016年Y505
登山地域岩手山

 

 

登山概要

■パーティ人数:4
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:山小屋泊
■登山内容:山頂往復
■天気:曇りのち晴れ

 

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:未然
■場所 :下り
■原因(環境):視界不良(悪天候と日没)、道が不明瞭(草)
■原因(人):
■道に迷ったかもと感じたときにすぐに対応したか:Yes
■迷ったときに現在位置を把握できたか:Yes
■現在位置や正しいルートを確認する手段:ロープを目印に
■道迷い後の行動:コースを修正して目的地(ルート)へ

 

ヒヤリハット本文

年齢50代1名60台3名の計4名で,網張口から鬼ケ城経由で岩手山8合目小屋に宿泊予定で計画した。当初は同行者が網張口出発時間を14時と計画したが,自分の経験から夕暮れ前の到着が難しいと判断し,13時出発に変更し出発した。途中,すれ違った登山者から,鬼ケ城の風が強いと聞き,鬼ケ城コースを避け,お花畑コースを行くことにした。(14時30分)お花畑からの登りに入る。(15時20分頃)登りは,豪雨等で荒れており,通常より時間と疲労が重なった。途中で休憩を数回入れるが夕暮れが近づき徐々に焦りだしたが,不動平はまだ遠かった。また最後に休憩し,出発5分後,同行者が近視用のメガネを掛けていないことに気づき(なんで?と思うが実際に起こった),その場でザックを探すが見つからず,休憩場所まで全員で戻り,更に探した。結局はザックの奥底にあり,無駄に時間を費やした。そのころにはもう日が暮れ(17時半頃)ヘッドランプを装着し,不動平を目指した。18時30分頃やっと山道の登山道を抜け,広い不動平に到着したものの,一面にガスがかかり,ホワイトアウト状態で,視界は1m位,且つ,草の繁茂により,登山道を識別できなくなってしまった。一応リーダーとしては,焦る気持ちを隠し(遭難の文字が頭に浮かびながらも),対策を考えた。前回の経験をもとに,ルートにはロープが張られていることを前提に,残り3名を今の場から動かさないようにして,声で所在を確認しながら,右に動いてから左方向に移動し,何とか登山道を示すロープを見つけ,声で3名を誘導した。その後,不動平から8合目小屋まで登山ルートを目指し,草の繁茂により数度間違いながらも19時30分に無事到着した。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備
コース計画者は,地図の等高線を見て,距離は長いが高低差のない,ただの横移動のルートと安易に考えた。 鬼ケ城ルートの風が強い場合には,一旦下に降りて登るお花畑コースを想定はしていた。出発時間を早めにするよう強く言えばよかった。
山の状況予定通りであれば,ガスもかからずヒヤリハットはなかったと思われる。
・豪雨により荒れて,時間と体力を消耗した。

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他出発時間などの計画を他人に任せた。自分の経験が生かされない雑な計画であった。 2か月前に同じメンバーで富士山に登っており,岩手山ぐらい軽いと軽視した。 打合せも電話で,出発時間程度だけであった。ちょっと遅いと思ったが,強くは言わないでいた。知識不足の者の計画を呪った。日暮れが迫り,焦った。メガネを掛けていないことを出発の5分後に気付くなんて「バカか」と思ったが,その人も焦っていたのだと落ち着いてから考えられるようになった。ヘッドライトくらいすぐに出せ!(なんでザックの奥なのよ)

 

対策

登山前の情報収集(コース時間・ネット等の直近の登山道状況など) メンバーの体力に合わせたコースタイムの設定(通常記載されている時間の1.5倍~2倍) メンバーを焦らせない。(言動や態度) 落ち着いて行動する。