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道迷い寸前

2017年2月24日

 

発生日2016年08月11日
体験者名2016年Y697
登山地域甲武信ヶ岳

 

 

登山概要

■パーティ人数:3
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:日帰り
■登山内容:山頂往復
■天気:晴れ

 

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■場所 :下り
■原因(環境):徒渉
■原因(人):
■道に迷ったかもと感じたときにすぐに対応したか:Yes
■迷ったときに現在位置を把握できたか:Yes
■現在位置や正しいルートを確認する手段:勘
■道迷い後の行動:勘で正しいと思う方向に進む

 

ヒヤリハット本文

3人パーティ。甲武信ヶ岳を初めて西沢渓谷側からピストンした下山 途中の分岐で、上りとは別ルートを選択して登山口まで戻ることを選択 来た道を戻っても味気ないという、突発的で安易な発想からだった 山と高原地図でも実践であり、コースタイム的にも変わらないので問題無いと判断した しかし予想よりも急で、ヤブ、岩、崩れた斜面などが頻発する荒れ気味な山道が続いた また、踏み跡が不明確な部分や分岐らしきポイントでも標識がほとんど現れない 危険が迫ったのは、2時間ほど下った先の谷にある渡渉ポイント ここまでは何とかコース通りに降りてこられており、現在地は把握できている しかし橋が掛かっていない上、水量が多くどこを渡れば良いのか見当がつかない 地図を広げても、見通しが良くないので行先が見当たらず、あちこち見て回ったが、この先に登山道らしきものが見つからない マズイ、進めない、下手したら迷う ルート変更した分岐まで戻るのが安全だが、もう3人とも疲労している、この急坂を何時間も上り返す体力は無い さらに悪いことに、1人が明らかに脚を痛めている そもそも既に夕方に近く時間も無い、遭難だ 下山開始からここまで、他の登山者と一人も出会っていないことも、我々の不安を高めていた 一か八かで方向だけ定め下る事にした、勘を信じた 登山道らしものにたどり着きほっとしたが、下りている感じがしない道で、どこに向かっているのかは自信がなかった 2時間ほど下りたところで、運良く登山口がはっきり分かる場所へ出ることができ、難を逃れた

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備
コース1人しか地図を準備していなかった 1人しかコースやタイムの検討をしていなかった 複数ルートの下調べをしていなかった 最新情報を入手していなかった
3人のコース取りの認識が定まっていなかった
安易な発想で、調べてもいない当初予定とは別のコースを選択してしまった
山の状況

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他1人は仕事で疲れ気味だったが、慣れもあり事前チェックを怠りナアナアで進んだ1人が脚を痛めていた

 

対策

初めての山では、メインルートと共に、サブルート、エスケープルートを確認、またネット等を活用しそれらの状態を画像や文章でチェックすることを心掛けている コースタイムの長い山は、日帰りを控えている 予定外のコース変更は極力しないようにしている 日帰りでも非常用装備、食料などは必携としている パーティの場合は、しばしば各人の状態などを確認するようにしている