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後続者が転倒し、背中にしがみつかれた先頭者と二人が同時にガレ場の斜面を滑り落ちた。

2017年2月23日

 

発生日2016年07月19日
体験者名2016年Y334
登山地域北岳~間ノ岳間

 

 

登山概要

■パーティ人数:4
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:
■登山内容:縦走
■天気:晴

 

ヒヤリハットタイプ

■対応(解決種別):[救助要請(山小屋・他登山者)]
■場所:[登り/ガレ場]
■原因(人):[バランスを崩した/つまずいて前のめりに転倒し、前を歩く者のザックにしがみつき二人同時にガレ場の斜面を転がり落ちた]
■原因(コース/環境):[石・岩]
■怪我の程度:[軽傷]
■怪我の部位:[不明]
■滑落した瞬間の対応:[リスク回避行動を行った/岩にしがみつくなどして]
■滑落距離:[3m]

 

ヒヤリハット本文

晴天で景色等を愛でながら農鳥小屋へ向かって北岳から間ノ岳間の平坦な尾根道を4人縦列で歩いていたところ、午後1時過ぎ1m程度の近さで後続していた二番手を歩くメンバーが、つまずいて前のめりに転倒し、前を歩く者のザックにしがみつき二人同時にガレ場の斜面を転がり落ちた。幸い3m程度下の岩にしがみつくなどして二人とも止まることが出来た。足場の不安定なガレ場を慎重に腹這いになりずり上がるようにして登山道に戻ることが出来た。両人とも軽い打撲と擦り傷はあったものの後遺となるような怪我はなかった。このためその後の奈良田への行程を中止し北岳山荘へ戻り、翌日広河原へ降りた。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備サングラス損傷、ストック一本折れ曲がるなどの物的損害が多少あった。一人はストックを握っているだけだったため転倒時に放してしまい体から離れて更に下部に落ちた。
コース
山の状況当日好天で南方に塩見岳など遠望がよく、景観に注意を奪われていた面もある

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他転倒した者は、経験豊かな者ではあったが先頭をゆくリーダーにピッタリ続いて歩いたため二人が転倒することにつながった。

 

対策

疲労時の歩行しながらの景観展望は集中力の散漫化につながることの注意を確認しておく。 疲労による集中力減などによるものと思われるが、平坦地の縦列歩きでも適宜な間隔の維持の必要を痛感した。 事故においてはストックなしで回復できたが、使用する際は一概には言えない面はあるものの、ピッケル同様手首に回して持つ等簡単に離れないように持つ。