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雪庇踏みぬき

2017年2月23日

 

発生日2014年02月11日
体験者名2016年Y710
登山地域八ヶ岳天狗だけ

 

 

登山概要

■パーティ人数:2
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:山小屋泊
■登山内容:山頂往復
■天気:晴れ

 

ヒヤリハットタイプ

■対応(解決種別):[救助要請(山小屋・他登山者)]
■場所:[下り/雪庇]
■原因(人):[―]
■原因(コース/環境):[雪・氷/ピッケルを指したら、自分の後ろから雪庇が崩壊]
■怪我の程度:[無傷]
■怪我の部位:[―]
■滑落した瞬間の対応:[リスク回避行動を行った/転がっている自分の体勢をすぐに立て直し]
■滑落距離:[不明]

 

ヒヤリハット本文

山頂で日の出の写真を撮影後、下山途中の撮影ポイントで、雪庇の話を同行者にして「ここまでは大丈夫」と言って、ピッケルを指したら、自分の後ろから雪が崩れ、転落した。踏み跡が自分の谷が側についていて、まだそこは大丈夫と思っていたが、雪庇の理解が弱かった。庇の上は、雪庇の上であり危険であることを、のちの講習会で分かった。転落した時には、「やってしまった。意識をしっかり持って。」走馬灯のように浮かぶ自分の家族。転がっている自分の体勢をすぐに立て直し、雪が柔らかくピッケルの効き目がないことが分かり、転がることから滑り台のように、少し股を広げ、落ちるスピードを緩めるように、岩に当たらないことを祈りながら止まるところまで我慢した。下につき、止まるや否や、すぐにあとから落ちてくる雪の雪崩に巻き込まれないように、這うようにして現場を離れた。もう大丈夫だろうと思い、後ろを振り返ると、落ちたラインや、崩れてきた雪が雪崩れているのが分かった。同行者の友人に手を振り、生きていることや元気だということを知らせた。脱出方向をまず考えた。周りの稜線から、登山道の方向を確かめ、歩こうとしたが、柔らかい雪にうずもれ、進むことができない。昼になってしまい雪洞を掘って救助を待った方がよいのか考えたが、獣の歩いた跡があったので、そこをなんとかたどりながら這っていると、「おーい。」と呼ぶ声が聞こえた。小屋の方が助けに来てくれたのだ。とにかくほっとした。「新雪で、登山道も踏み跡がない。」と教えてくれた。小屋まで一緒についいて行ってくれて事なきを得た。雪解けの後に、お礼をいいに訪れたり、山岳会の講習会に2年間通った。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備アイゼンピッケルも持ち、使い方もわかり、大丈夫と思っていた。テルモス、コンロ非常食も持っていいた。
コース滑落した谷は、200mくらいあった。戻ることはできないと思い、夏山の登山のコースや地形が樹種などが分かっていたので、脱出方向などの、パニックはなかった。
山の状況雪庇の理解がなかった。大日岳遭難と同じ。

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他クロユリヒュッテから天狗岳までは、踏み跡もあるし、天気も良く、夏も歩いているから、大丈夫と思っていた。同僚が同行者であり、仲間としての意識も高く、よく一緒に歩いていた。

 

対策

雪庇の理解を深める学習。雪質、雪崩に対する学習。ビーコン、ゾンデ棒、スコップなど、使い方など、基本的なことを学ぶ講習会に、冬山に入るたびに参加して、初心を忘れない。